シリーズ
財務省:介護サービスは「利益率が高い」報酬の適正化を要請。←これは本当に正しいのか?
1.本当に利益率が高いのか?実際の収益と構造から確認してみましょう。
2.本当に利益率が高いのか?介護報酬を下げた結果どうなったか見てみましょう。影響はどのようになるかも一緒に考えていきましょう。
3.「介護の仕事、来てほしい」と言いながら、その職場を壊そうとしている話。行政の矛盾した言い分を見ていきましょう。
番外編.筆者がなぜ訪問介護員を勧めるのか。その理由について解説していきます。
こんにちは、介護事業を8年経営している あーちゃんです。
今日はちょっと、モヤモヤしていることを書かせてください。
「介護職が足りない」「若い人に来てほしい」
ニュースでも、行政の資料でも、毎日のように見かけます。 私自身も、本当にそう思っています。
でも最近、こんなことを思うんです。
「来てほしい」と言うなら、来た人を守れる場所にしてから言ってほしい。
今日はその話をします。
まず、行政がどれだけ必死か見てほしい
最近、事業所にこんな案内が届きました。
- 高校生・20歳以下 → 初任者研修が無料
- 介護未経験者 → 受講料最大10万円補助
- 他業種からの転職者 → 就職支援金最大20万円
- 離職した介護職の出戻り → 再就職準備金最大40万円
2年間働き続ければ、返還不要。
これ、かなり本気ですよね。 人手不足が深刻で、現場が本当に困っているのが伝わってきます。
私も「ありがたいな」と思いました。
でも同時に、複雑な気持ちになりました。
一方で国は、真逆のことをしています
2024年度、国は訪問介護の基本報酬を2%以上引き下げました。
その結果どうなったか。
2025年、訪問介護事業所の倒産は過去最多。
倒産と廃業を合わせると、1年間で556の事業所が消えました。
全国47都道府県に換算すると、1県あたり約12か所です。
そして2026年4月——
財務省が「介護報酬をさらに引き下げれば約1,420億円の費用を抑制できる」という試算を出してきました。
根拠は「介護の利益率は他産業より高い」。
前回引き下げた結果、これだけの事業所が消えた。 その検証もしないまま、また同じ方向を向いている。
ちょっと待ってください。矛盾してませんか?
整理するとこうなります。
県:「介護職に来てください。補助金出します。」
国:「介護報酬、下げます。」
この2つが同時進行しています。
県が入口に敷物を敷いている。 その奥で、国が床を抜こうとしている。
入ってきた若者が立つ場所が、どんどん薄くなっていく。
これって、おかしくないですか?
「利益率が高い」って本当?
財務省の言う「利益率が高い」には、カラクリがあります。
施設に併設された、条件の良い訪問介護事業所が平均を押し上げているんです。
自転車で一軒一軒回っている地域の小規模事業所とは、まったく別の話。
実態として、収益率が5%を下回る事業所は半数を超えています。
しかも介護業界の人件費率は約64%。収益のほとんどは人件費に消えます。
残ったわずかな利益から設備更新や借入返済を賄う。それが現実です。
それでも介護職員の給与は、全産業平均より月8万円以上低いまま。
利益率が高いなら、なぜこの差が埋まらないのか。
答えは明白で、利益は賃上げに消えており、内部に蓄積されていないからです。
報酬を下げると何が起きるか、もう答えが出ています
報酬が下がる
↓
事業者が賃上げできない
↓
人が集まらない、辞めていく
↓
サービスが届かなくなる
↓
困るのは利用者と家族
この流れ、一度経験しましたよね。2024年度の改定で。
同じことをもう一度やろうとしている。
それでも、来てほしいと思っています
矛盾していると、自分でも思います。
でもこの仕事には、本物の意味があります。
誰かの生活を毎日支えること。 「今日も来てくれたね」という言葉を受け取れること。 現場に立てば立つほど、この仕事の重さと豊かさがわかります。
だから来てほしい。本当にそう思っています。
ただ——
来てくれた人を守れる環境を、先に整えてほしい。
その責任は現場ではなく、制度をつくる側にあります。
最後に、財務省に問いたいこと
県が必死に若者を集めようとしている。
その事業所が、倒産し続けている。
やっていることと、言っていることが矛盾しています。
数字の話をしているのではありません。 来てくれた若者の未来の話をしています。
そして、誰かの親や家族の生活の話をしています。
その矛盾に、正面から向き合ってほしい。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
この記事が「介護ってそういう状況なんだ」と知るきっかけになれば嬉しいです。
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財務省:介護サービスは「利益率が高い」報酬の適正化を要請。←これは本当に正しいのか?
1.本当に利益率が高いのか?実際の収益と構造から確認してみましょう。
2.本当に利益率が高いのか?介護報酬を下げた結果どうなったか見てみましょう。影響はどのようになるかも一緒に考えていきましょう。
3.「介護の仕事、来てほしい」と言いながら、その職場を壊そうとしている話。行政の矛盾した言い分を見ていきましょう。
番外編.筆者がなぜ訪問介護員を勧めるのか。その理由について解説していきます。

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